筑波大学は400字×4問で120分である。基本的に使用すべき語句が4つ指定されており、それを用いて答案を作成する。

 時間的に極めて厳しい。しかも一見書けそうだが、「縄文時代から古墳時代における社会の変化」「高向玄理から菅原道真まで」など、聞かれている時間軸が長いものもあり、文章の組み立てが難しい。
 
 指定されている4語の説明だけでは、当然400字にはとても足らず、要求されていることを的確に判断して必要な語句を加えて書かなくてはならない。

 それでも、4つの語句が方向性のヒントともなっており、「何を問われているのか」=「テーマは何か」をきちんと確認して臨めば、教科書の記述で答案が作成できる良心的な問題である。

 と、2011年ごろまでは思っていたのだが、近年は、1問、長文の史料からの読み取りを必要とする問題がほぼ毎年出題されている。また、時々、何を求めているのか受験生が戸惑うものも見受けられる(2017年度第3問など)。
 

 2019年度  第1問 (8〜9世紀における中国文化の受容)

         第2問 (室町時代の民衆の動向)

         第3問 (17世紀における幕府政治の推移)
 
         第4問 (史料:吉野作造と原敬内閣)


 2018年度  第1問 (7世紀末〜8世紀末の都城の役割と遷都)

         第2問 (鎌倉時代後期における幕府政治の推移)

         第3問 (史料:ヒュースケンの日記から見る日米交渉)
 
         第4問 (明治期の地方制度の変遷)


 2017年度  第1問 (史料:天智天皇の時代の対外関係と国内の動き)

         第2問 (戦国時代の社会と文化)

         第3問 (18〜19世紀の地理認識の発達と政治や社会との関わり)
 
         第4問 (昭和初期の政治と政党)


 2016年度  第1問 (8・9世紀と10・11世紀の租税制度の違い)

         第2問 (史料:建武の新政)

         第3問 (17世紀中期から18世紀の産業の変化と社会への影響)
 
         第4問 (明治初期の社会と文化)


 2011年度  第1問 (古代の東北経営)

         第2問 (永仁の徳政令)

         第3問 (19世紀前半の欧米諸国との関係)
 
         第4問 (士族の解体)


 2010年度  第1問(大化改新から平城京遷都にいたる国家建設過程)

         第2問(14〜16世紀における日中関係の推移)   

          第3問(江戸時代前半期における社会の文化的特徴)   

         第4問(大正2年(1913)前後の政治構造)

    

 2009年度  第1問(墓制から見る縄文時代から古墳時代に及ぶ社会の変化)
 
         第2問(承久の乱」前後の朝廷と幕府の関係)
            
         第3問(史料:末期養子の禁)

         第4問(第二次世界大戦後の内外情勢)


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