2019年度 『筑波大学 その2』

室町時代の民衆の動向


U 室町時代における民衆の動向について,次の(ア)〜(エ)の語句を用いて論述せよ。解答文中,これらの語句には下線を付せ。ただし,語句使用の順序は自由とする。

(ア) 正長の土一揆   (イ) 惣村   (ウ) 天文法華の乱    (エ) 私徳政



  『詳説日本史』の抜粋で作成しました。

<野澤の解答例>
 鎌倉時代後期、近畿地方を中心に自立的・自治的な惣村が発生し、各地に広がっていった。強い連帯意識で結ばれた惣村の農民は,年貢の減免などを求めて一揆を結び,強訴や逃散などの実力行使を行った。15世紀前半には農民勢力が、都市民や困窮した武士とともに徳政を求めて蜂起する正長の土一揆が起こった。この背景には、経済の発達にともない都市・農村を問わず高利貸資本が深く浸透していたことがあり、各地で実力による私徳政が展開された。嘉吉の徳政一揆が起こると、幕府は土一揆の要求を入れて初めて徳政令を発布し、これ以降、徳政令を乱発するようになった。室町時代後期になると、都市部においても富裕な商工業者が、市政を運営する自治都市が現れた。京都では財力を蓄えた町衆による自治が行われ、祇園祭が再興された。町衆は法華一揆を結んで町政を運営したが、延暦寺と対立し、天文法華の乱で焼打ちを受けて、一時京都を追われることになった。(398字)


2020.11.6

 
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