2017年度 『筑波大学 その2』


戦国時代の社会と文化


次の各問について,それぞれ400字以内で解答せよ。

U 戦国時代の社会と文化について,次の(ア)〜(エ)の語句を用いて論述せよ。解答文中,これらの語句には下線を付せ。ただし,語句使用の順序は自由とする。

(ア)足利学校   (イ)イエズス会   (ウ)石山本願寺   (エ)一条兼良



  『詳説日本史』の抜粋で作成しました。

<野澤の解答例>
 応仁の乱により京都が荒廃すると、公家たちが戦国大名を頼って地方へ下り、優れた文化が伝えられた。関東では上杉憲実によって足利学校が再興され、禅僧・武士に対して高度な教育がほどこされた。禅宗の影響を受けた枯山水や侘茶が発展する一方で、政治・経済面で力を失った公家は、伝統的な文化の担い手となり、一条兼良らは多くの研究書や注釈書を残した。朝廷・幕府の没落や荘園の崩壊によって、旧仏教の勢力が衰えていったのに対し、鎌倉仏教の各宗派は人々の信仰を得て、都市や農村に広まっていった。中でも蓮如の精力的な布教によって浄土真宗の勢力は強大なものになり、石山本願寺を頂点とし、全国各地の寺内町を拠点として一向一揆を結んで、織田信長の支配にも対抗するようになった。イエズス会の宣教師によって伝えられたキリスト教の布教は、貿易と一体化して行われたため、戦国大名の保護を受け、南蛮寺などが建てられ、キリシタン版も発行された。(400字)


2020.11.12

 
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