2017年度 『筑波大学 その4』


昭和初期の政治と政党


次の各問について,それぞれ400字以内で解答せよ。

IV 昭和初期の政治における政党について,次の(ア)〜(エ)の語句を用いて論述せよ。解答文中,これらの語句には下線を付せ。ただし,語句使用の順序は自由とする。

(ア) 社会大衆党   (イ) 新体制運動    (ウ) 西園寺公望    (エ) 五・一五事件




  『詳説日本史』の抜粋で作成しました。

<野澤の解答例>
 第二次護憲運動により加藤高明内閣が成立して以来、立憲政友会と立憲民政党の二大政党の総裁が内閣を組織する憲政の常道が始まった。普通選挙法の制定により、社会主義勢力は合法的な労働農民党を組織し、最初の普通選挙では無産政党から当選者を出した。この選挙で共産党が公然と活動を開始したことに対して、田中義一内閣は共産党員を一斉検挙するなど、弾圧を加えた。また、満州事変をきっかけに高まったナショナリズムは社会主義運動に大きな衝撃を与え、最大の無産政党であった社会大衆党も次第に国家社会主義化した。五・一五事件により犬養毅首相が暗殺されると、元老西園寺公望は海軍の斎藤実を首相に推薦した。斎藤は二大政党の両方から入閣させる挙国一致内閣を組織したが、政党内閣は太平洋戦争後まで復活しなかった。国内政治に対する政党の影響力は次第に小さくなり、近衛文麿が新体制運動を提唱すると、諸政党は解散して大政翼賛会が結成された。(400字)


2020.11.12

 
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