東大日本史の解説を書いていてふっと思った。
「東大の問題の中には、与えられた資料をしっかりと読み込む力があれば、中学校で習った基礎的歴史事項だけで答案が作成できるものがあるのではないか。」
そこで試しに、2010年度に勤務校の高校1年生を相手に、中学校で用いた教科書と資料集だけで挑戦させてみた。
はじめは、問題を渡して「よーい、ドン」で解けるものではない。しかし、生徒と一緒に問題を読んで、問われていることを確認しながら進めると、意外に解ける!
何度かやるうちに、慣れてきたのだろう、ヒントなしでも「イイセンイク 」生徒が出てくる。
もちろん、中学生の知識だけで解けるような出題の数は限られており、だんだん提示するこちらのネタも苦しくなっていったのだが、考えてみればこの「基礎的知識と、与えられた資料をしっかりと読み込む力があれば、答案のベースは作成できる。」というのが、東大日本史の特徴ではないのか。
そこで、板書してヒントとして与えたり、解説した内容を、チャート図のようにまとめてみた。「東大チャート」(?)である。
皆さんが、東大の問題を解くための一助になれば幸いである。
(2011.4.23)
1994年度第3問 江戸時代初期の朝幕関係
1990年度第3問 鎖国下の対外関係
1991年度第2問 後醍醐天皇の政治
1993年度第2問 蒙古襲来と高麗
1997年度第1問の設問B 吉備真備が長期にわたって政治生命を維持できた理由
1999年度第3問 江戸時代の商家の相続
2005年度第2問の設問A 御成敗式目制定の意図
2005年度第1問 嵯峨朝の歴史的意義