(P.32~34)
4 平氏の台頭
(1)「平正盛=摂関家とつながりが深い源氏をおさえるために、白河、鳥羽上皇に取り立てられる。源義親の乱鎮圧。武士の棟梁になる。
(2)「平忠盛=鳥羽上皇の院庁別当。瀬戸内海の海賊平定で功名(実は「やらせ」との説あり)、日宋貿易に着手した。
保元の乱、平治の乱は、関係者の組み合わせをしっかり覚えたい。
(3) 保元の乱(1156):原因=天皇家・摂関家内部の継承争い(鳥羽法皇の死がきっかけ)
○後白河天皇⇔×崇徳上皇」+〇平清盛・源義朝・藤原忠通⇔×源為義・平忠正・藤原頼長
慈円が「愚管抄」で「ムサノ世ニナリニケル」(武者の世になった)と評したのは、保元の乱のことである。
(4) 平治の乱(1159):原因=院近臣であった藤原通憲(信西)と藤原信頼の対立
藤原信頼と源義朝が挙兵し、信西自殺。清盛が鎮圧→○平清盛⇔×源義朝。
→2つの乱は武士の力の重要さを示し、平清盛は朝廷での地位を急速に高めた。
5 平氏政権
基本を簡潔に。
(1) 平清盛は1167年に武士初の太政大臣。(『平家物語』で「・・・皆人非人・・・」と言ったと言われるのは、平時忠)
(2) 武士的性格=畿内・西国の武士を家人として組織し、荘園・公領のへ地頭にした→鎌倉幕府の先駆
(3) 貴族的性格=外戚政策:娘徳子は高倉天皇の中宮であって、安徳天皇の中宮ではない!安徳天皇は徳子の子で、清盛が外戚となる。
(4) 経済基盤
① 荘園(500余所)、知行国(30か国)
② 日宋貿易は「現神戸港=大輪田泊修築」「瀬戸内海航路の安全を図り、宋商人を畿内への招来に努力」
輸入品の「太平御覧」もたまに出る。正誤問題では、「清盛は大輪田泊を修築するなどしたが、日宋貿易を始めたのは忠盛。」「日宋貿易で、中国の貿易船は畿内にまで来ている。」(ともに○)
(5) 後白河法皇との対立
① 鹿ケ谷事件(鹿ケ谷の陰謀)(1177)で、院近臣の藤原成親(死刑)、俊寛(流罪)。
② 後白河法皇を幽閉(1179)して、政治の実権を握ったが、反平氏勢力の決起を促すことになった。
6 院政期(平安末期)の文化
(1) 特色 文化の大きな特徴を2つ。
① 聖・(上人)よばれるフリーランスの坊主(受験では「民間の布教者」)によって浄土教が地方へ広められたことなどから、「文化が地方へ普及した」こと。
② 「今様や田楽など、貴族が庶民の文化に強い関心を持っていた」こと。
イメージとしたは「下(地方・庶民)から上(中央・貴族)」と「上から下」への両方向のベクトルがあったことになる。
(2) 著作
① 流行歌であった今様を後白河法皇が編集した『梁塵秘抄』が試験に出て、書けなかったら自分だけだと思ってよい。( エピソード「実は名君? 歌う専制君主 - 後白河法皇 -」へ)
②『今昔物語集』は、平安末期の説話集だとわかればよい。日本の話だけではなく、インドや中国の話もあることが理解できていれば、さらによい。
③『扶桑略記』=皇円による歴史書(難問)
軍記物語と歴史物語も著作なのだけど、ジャンルとして分けました。
(3) 軍記物語
① 最初の軍記物語=『将門記』(平将門の乱が題材なのは、タイトルで分かる))
② 前九年合戦が題材=『陸奥話記』
(4) 歴史物語
①『栄華物語』=道長の一生を追憶した。道長に好意的(かな文編年体)。
②『大鏡』=摂関政治史で『世継物語』とも言われる。裏面の抗争も含まれており、摂関家に批判的な内容もある(かな紀伝体)。四鏡と呼ばれる歴史物語の最初
③『今鏡』=四鏡の2番目
(5) 建築
※阿弥陀堂建築が地方にも建てられた
中尊寺金色堂(平泉)=奥州藤原氏」は絶対! 「豊後→富貴寺大堂」、「福島→白水阿弥陀堂」も地名とのつながりで出る。
この他の建築物として「三仏寺投入堂(鳥取)」は、一見の価値があるが、あまり出題はされない。
(
エピソード「日本第一の建築 - 三仏寺投入堂 -」へ)
(6)絵巻物
大物である。「信・源・伴・鳥」(信玄は番長)の4つは特徴まで聞かれる。そして「この4つ以外の絵巻物が出題されたら、全て鎌倉文化だと思ってよい(後白河上皇の命でつくられた「年中行事絵巻」もあるが、基本的には。「信・源・伴・鳥」で良いと思う。
絵を見て分からなければならないが、マーク式の受験のポイントだけ、簡潔に。
①庶民の生活や風俗が描かれている→「信貴山縁起絵巻」(僧の命蓮の奇跡。飛倉の場面がよく出る)と「伴大納言絵巻」
②吹抜屋台、引目鉤鼻→「源氏物語絵巻」
③応天門の変が題材→「伴大納言絵巻」
④動物を擬人化、世相を風刺、詞書がない→「鳥獣戯画」 (鳥羽僧正が作者というのは否定されている)
(7)装飾経
①扇面古写経=四天王寺にある扇面古写経には、下絵に大和絵で庶民の生活が描かれている。
②平家納経→平氏一門が厳島神社へ奉納
(8) 芸能:庶民のものが貴族の間でも流行
① 田植神事であり、農村の労働歌舞であった田楽の貴族にも流行
② 猿楽はモノマネなどの滑稽な雑芸
③ 庶民の間で歌われた民謡などに、外来の楽器を伴奏に使って発達した催馬楽は難問
(2025.3.16)