新井白石が著書に中で、荻原重秀をボロクソに書いているから、重秀の印象は概して良くない。このあたりは「文章に書いて残した者勝ち」のような観さえある。
貨幣改鋳にあたり、重秀はこう言っている。
「金の量が問題なのではない。幕府に信用さえあれば、瓦だって貨幣として通用する。」
これは決して誤った認識ではない。日本の一万円札なんか、だだの紙切れに過ぎない。
しかし、重秀の誤算が一点あった。
「幕府に信用がなかった」ことである。
(2002.10)
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