2019年7月13日実施 第2講 
 

第2講も、雨でした。それでも兵庫県や今治市、西条市など各地から、たくさんの御参加をいただきました。
 
    「朝廷に対する幕府の優位」が、この問題が求めている「影響の本質」だとぼくが考える理由を、説明していきます。
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   後鳥羽上皇は、この人にできないことってあるのだろうかと思えるような極めて優秀な人物でしたが、最後は、「自分だけは助かりたい」という政治的無責任が、自身も味方してくれた武士をも滅ぼしたといえます。 
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   承久の乱のときには朝廷の権威の前にたじろいでいた泰時が、20年度には堂々と幕府の優位を主張している。この話が創作だったとしても、承久の乱が朝幕関係に与えた影響の本質をよく表していると思います。
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   ぼくが新規採用教員時代に愛用していた参考書には、「後醍醐天皇の個性」として上のように記されていました。「なるほど、これは失敗する」と思いました。
 しかし今、ぼくには彼が凄く魅力的な人物に見えるのです。
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    不遇な少年時代を送った者が、偶然手に入れたほんのわすかなチャンスを逃さず、持てる力のすべてを尽くして、不屈の闘志と不断の努力で頂点をつかむというサクセスストーリーだと思いませんか?
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   今回取り上げたこの二人は、ともに「考えなしの敗者」のように位置づけられることが多いように思います。しかし、二人には決定的な違いが一つあると、ぼくは思います。
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   後醍醐天皇が構想してなしえなかったことを、室町幕府が実現したのです。例えば、雑訴決断所が採用した全国支配のための訴訟制度は、そのまま受け継がれました。何より、足利義満が行った「公家・武家・寺社勢力」の3つの権門を押さえこむ方法のモデルは、後醍醐天皇が示したものでした。 
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   1970年代後半から80年代前半にかけてヒット曲を連発した「ゴダイゴ」というバンドがありました。そのバンド名の由来は、不死鳥のような後醍醐天皇のイメージなのだそうです。
 人が信念をもって精一杯努力したことが、何の痕跡も残さないということは、やはりないのだと思います。  
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  おまけ(終了後にゴダイゴの曲を流しました) 
 
 
   
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