史料『化政文化』のポイント

国学
 本居宣長の「うひの山ふみ」は、史料名を問われることは少ない。「万葉集をよくまなぶべし。・・・二典の次に挙て・・・わが師の大人の古学のをしへ・・・。」「万葉集」から万葉集に関することそのものや、契沖の『万葉代匠記』を聞くことがある。「二典」とは『古事記』『日本書紀』、「わが師」とは本居宣長の師だから「春はカモのノリだね」で、賀茂真淵と分かる。

『蘭学事始』
 有名な「ターフル・アナトミイ」という言葉が出てくるので、『解体新書』翻訳の苦労話=「蘭学事始』だと分かって。文中の「翁」が作者杉田玄白というのも注意。

『自然真営道』
 絶対的キーワード一発。「是レ自然ノ世ノ有様ナリ。」作者の安藤昌益の主張が、「万人直耕の自然世」であったことを考えれば分かる。

『海国兵談』
 「海国の武備は海辺にあり。・・・当世の俗習にて、異国船の入津は長崎に限りたる事にて・・・細やかに思へば、江戸の日本橋より唐・阿蘭陀迄境なしの水路なり」史料中の「長崎」は空欄で抜かれる。林子平は、この他に朝鮮・琉球・蝦夷地の地理を述べ、特に蝦夷地の開拓を力説した『三国通覧図説』がある。

『経世秘策』
 意外な盲点である。本多利明開国貿易を唱えたことを知ってなければならない。キーワードは「万国へ船舶を遣りて、国用の要用たる産物、及び金銀銅を抜き取て日本に入れ・・・海国具足の仕方なり」で、海外へ船を派遣して、金銀を輸入するという発想が分かる。また「海国具足」という言葉で、慌てて『海国兵談』と間違えないように。

『夢の代』
 「何クンゾ鬼アラン。又神アラン。」から山片蟠桃無鬼論だと分かる。なお、『戊戌夢物語』との単純な正誤問題がある。『夢』という字がダブってるだけやね。

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