史料『鎖国の崩壊過程』のポイント

異国船打払令(大御所時代)
 「・・・おろしや船の儀については、文化の度改めて相触れ候次第も候処、いきりすの船先年長崎において狼藉におよび、・・・去年に至り候ては・・・邪宗門に勧め入れ候致方・・・一図に打払い・・・」「文化の度」は「1806年の文化の撫恤令」、「いきりすの船・・・」は超重要、「フェートン号事件(1808)で長崎奉行であった松平康英が引責自害した。」「去年」はこの法令が出たのが1825年であったことを考えたらわかる。「邪宗門」はもちろんキリスト教

モリソン号事件(戊戌夢物語)(大御所時代)
 本文では、異国船打払令との関連に注意と記しておいた。「イキリスは、日本に対し、敵国には之無く・・・今彼れ漂流民を憐れみ・・・」というオープニングから高野長英がモリソン号事件を批判した『戊戌夢物語』と分かって欲しい。もちろんモリソン号はアメリカの船だから、書き出しの「イキリス」は、筆者の勘違いである。「イキリス」を正しい国名に直せという問題の答えは、当然アメリカであるが、かつてこれを「イリス」と直した者がいた。そう言う意味じゃないって。

天保の薪水給与令(天保)
 「異国船渡来の節、二念無く打払ひ申すべき旨、文政八年仰せ出され候。・・・之に依り文化三年異国船渡来の節、取計方の儀につき仰せ出され候趣相復し候様・・・食料薪水等乏しく・・・」ポイントは決まっている。「文政八年仰せ出され候」→「異国船打払令」、「文化三年異国船渡来の節、取計方の儀につき仰せ出され候趣」→「文化の撫恤令」。後は、「薪水」から史料名が分かれば可。

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