史料『三大改革』のポイント

相対済し令(享保)
 「人々相対の上の事ニ候得ば、自今は三奉行所ニテ済口の取扱ひ・・・」三奉行所に線が引かれ、最高格は?寺社奉行が問われる。

上米(享保)
 大物。「高一万石ニ付八木石積り差上げらるべく候。・・・これにより在江戸半年宛御免成され候」八木=はわかるでしょう。

足高の制(享保)
 これも史料中にはっきり「御役勤め候内御足高仰せ付けられ」とある。史料名が分かれば可。

公事方御定書(享保)
 どこが出るかと聞かれたら、「わからない」としか言えない。とにかく「何とかをしたら、何とかになる」例えば「人を殺し盗み」をしたら「引廻の上 獄門」というようにあれば、出典を判断して。なお、公事方御定書は上下2巻あって、下巻を「御定書百箇条」ということは、私立文型は知っておきたい。

囲米(寛政)
 「高壱万石に付、五十石の割合を以て・・・囲穀いたし」で分かって下さい。

棄捐令(寛政)
 これは超大物。まず史料中の「蔵宿」という言葉が札差を指していること。そして「旧来の借金は勿論、ケ年以前・・・」のが空欄で抜かれる。そしてキーワードの「棄捐の積り相心得べき事」で、わかる。

寛政異学の禁(寛政)
 大物。本文でも触れている。「異学流行・・・正学衰微の故に候哉」の異学とは朱子学以外の儒学であり、具体的には陽明学古学であること。もちろん正学とは朱子学。「柴野彦助・岡田清助儀」に傍線が引かれて、残りの「寛政の三博士」で尾藤二洲(洲の字に注意)を聞いてくる。史料中の「林大学頭」を聞かれたら(林信敬)難問。

大塩平八郎の檄文(大御所時代)
 「・・・大坂市中金持ちの丁人共を誅戮に・・・大坂市中に騒動起り候と・・・」など大坂という言葉で判断して下さい。ところで、これほどの文章を版木屋に頼んで、なぜ幕府にバレなかったのか?実は檄文の原稿を上中下に三分割してそれぞれ別の版木屋に彫らせ、それを合わせて大塩は自分で刷ったんです。

株仲間解散令(天保)
 「仲間株札ハ勿論・・・問屋仲間並組合抔と唱候儀相成らざる旨、・・・菱垣廻船積問屋、十組問屋共・・・」文意から判断できる。「菱垣廻船」から南海路を、「積問屋」から「大坂の二十四組問屋」を聞くことがある。「十組問屋」が荷受問屋で江戸にあったことはO.K.でしょう。

人返しの法(天保)
 出典が分かれば可。「・・・在方のもの身上相仕舞、江戸人別に入候儀決して相成らず候間・・・在方のもの当地え出居、馴候次第・・・」あと「当地」とは江戸だと答えられればよい。

上知令(天保)
 結構やばい。キーワードは「幸此度、江戸・大坂最寄御取締りと上知仰せ付けられ候」だが、その前の「仮令如何様の・・・当御代思召次第」から幕府の大名観(大名の転封・知行の加削は、幕府の自由)を正誤問題で聞いたものがあった。

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